研究室

研究室の紹介

少子高齢化・人口減少により、利用者の少なくなった施設・空間があり、一方で潜在的な需要があるにも関わらず、どのような場・空間・建築、そして利用のされ方が適切かについてのニーズが明確に立ち現れず、運営の仕方も含めてこれから新しく生み出さなければならないものもあります。

そのような中、これから新しく計画される場・空間・建築や施設には、街や地域社会の規模や利用のされ方にフィットした、そして何より、身近な場所でのダウンサイジングされた計画、既存施設のリノベーションなどによって多用途に利用できる複合的な計画などが第一に考えられる時代になったと理解しています。

吉田研究室では、このような場・空間・建築や施設、そして街・地域での人の行動心理嗜好認知の枠組や傾向などを調査・分析することによって、ユーザーセンタードな(user-centered)立場から、その個別性(individuality)・多様性(diversity)を理解し、排除されるもののない包括的(inclusive)、かつ、オープンな(open)利用の在り方を考察し、計画・設計に活かしていくことを目指して、以下に示すような研究協働・実践計画設計・デザインに取り組んでいます。

現在重点的に進めているのは、高齢期の地域継続居住、キャンパスにおける障害学生支援をキーワードとした研究です。同時に、その時々の機会に応じて、住宅の設計、大学キャンパス計画(校舎再配置、校舎の基本計画・設計、図書室の設計)、旧行政施設の地域利用に向けた計画支援、高齢者向けベンチのデザイン・歩行経路の計画支援なども進めています。

高齢期の地域継続居住に向けたコミュニティ・エンパワーメント

長らく住み続けてきた自宅を中心とした徒歩圏の地域で、可能な限り健康で自立した生活を継続して送っていくことを多くの高齢者は望んでいます。人口増加時期に拡大した都市・地域、数多く建設された住宅や施設は、当時人口の中心であった元気に活動・移動できるこれより若い世代をその利用者の大半と想定してきました。
これを大きく転換させ、さらに、人が減り、元気をなくしがちなコミュニティをエンパワーする場や空間、建築・施設を創造するため、高齢者の行動や心理、嗜好や認知の枠組や傾向などを知り、その一方で、高齢者自身もまちづくりや施設の計画・運営の主体として力を得るようなあり方を考える研究・活動を進めています。

  1. 伏見区醍醐地区:斜面地居住の高齢者の歩行・休憩環境の整備や買物支援、および、マップづくり
    :だいご”生き活”プロジェクト/伏見区醍醐いきいき市民活動センター
  2. 同深草地区:深草疏水沿い、深草地区での歩行・休憩環境の整備や買物支援
    :プロムナード深草疏水/鴨川運河会議/伏見区深草支所
  3. 同藤森地区:旧行政庁舎の改修利用に向けた地域支援
    :藤森学区自治連合会

小学校区における店舗・地域施設の利用と旧行政庁舎の地域利用に向けた用途の抽出
-京都市伏見区藤森学区の旧水道局ビルを事例として-2015年度卒業論文(中西哲平君)から
←拡大してご覧ください

大学キャンパスでの障害者差別解消に向けたアクセシビリティ、合理的配慮の研究・支援

公共建築を中心に建築物単体では、障害者、高齢者を中心とした移動困難者への対策は少しずつ進んでいます。一方、こうした建築群をつなぐ市街地空間やオープンスペースの整備はまだ十分ではありません。これに加え、大学では、講義室や実験室などの位置表示・検索、各室のしつらえ、さらには授業や研究内容などの情報保障の観点からも、まだまだ進めないといけないことは数多く残されています。こうしたバリアのひとつひとつをなくし、そして障害をもつ学生が、より多くの学生達と等しく学生生活を送ることを可能とするための合理的配慮や施設計画・運営のあり方を考える研究・活動を進めています。

2016年度 大学コンソーシアム京都 指定調査課題(2016)
「大学での障害者差別解消へ向けたアクセシビリティと合理的配慮のDBの構築
-障害学生支援室連携組織の設立へ向けて」
吉田 哲(代表)、関根千佳(同志社大学)、岩隈美穂(京都大学)、土橋恵美子(同志社大学)、
村田 淳(京都大学)、井上友裕(京都産業大学)

地域施設の再構築の研究

小学校余裕教室の地域利用の研究

京都市内小学校の高齢者による地域利用の研究:高齢期の地域継続居住へ向けた研究の一部として位置付けています。

  1. 日本学術振興会科学研究費、挑戦的萌芽(2014-16)
    「高齢者による地域支援と小学校校舎の地域拠点としての施設存続可能性の研究」
    吉田 哲(代表)、Oussouby SACKO(京都精華大学)、大影佳史(関西大学)、岩田伸一郎(日本大学)
    →地域支援のベースとしての小学校の建物・敷地利用と高齢者による地域支援を絡めた研究
    2014年度:余裕教室の高齢者居場所づくりやサークル活動の利用について、京都市、長岡京市の小学校をまわって調査研究しました。
    2015年度:退職高齢者の地域支援活動の拠点や内容についてwebアンケートしました。
    2016年度:校長先生を対象に、小学校余裕教室の地域利用についてアンケートを実施します。
  2. 日本学術振興会科学研究費、基盤C(一般)(2016-18)、
    「学校統廃合過程における<京都方式>の検証-「地域」の固有性・多様性に着目して-」
    中島勝住(代表。京都精華大学)、中西宏次(京都精華大学)、中島智子(プール学院大学)、吉田 哲
    →京都市の学校統廃合前後での、余裕教室の地域利用について調べたいと考えています。

下記は廃校舎の空き教室を図書サロン化しようという先行した試みに参加しているもので、図書の配架作業の時の写真です。

旧行政施設の地域利用の研究

伏見区藤森学区で進めたものを、2015年度卒業生中西君が取りまとめました(上述図版)。

高齢者歩行・休憩支援に向けたベンチの設置、および、歩行経路・休憩空間の計画、商店街との連携

高齢期の地域継続居住を住宅系市街地で展開する契機となった研究・活動で、その大きな柱です。京都市中心市街地の商店街でベンチの設置を複数個所で同時に進めることでそのネットワーク化をはかり、高齢者の歩きやすい道が増えればと考え、いくつかの研究とベンチのデザイン~設置までを進めました。

この動きを今後、住宅市街地などへも面的に拡大し(伏見区の2か所で展開模索中です)、また例えば外国から来街された方が移動しやすいとの意味でのユニバーサル化等、商店街の方、地域の方たちとの協働で、各種の新しい取組へ展開したいと考えています。
→ (1)中京区商店連盟:若手商店主とのまちづくり:商店街へのベンチの設置、まちカフェの開催・支援


2012年度、京北、吉田木工所でのベンチ組立作業風景
北山杉を用いた高齢者向ベンチを数パターンデザインしています。
(2人掛、1人掛、軽量化版など)


2012年度修士論文(水野聖也君)
京都中心市街地における高齢者の歩行経路と歩行時の休憩空間選択の研究
←高齢者の歩行経路の中心は寺町通でした。


2014年度、寺町専門店会に設置となった1人掛用ベンチ(2脚)
京都商店連盟中京東支部の商店街(寺町会-下御霊神社、錦市場、寺町専門店会)や、
出町茶論(介護予防デイサービス)などで設置しています。
←図らずも寺町通沿いの南北に進んでいます

都市空間における犯罪不安感の研究

居住空間におけるプライバシーの研究

研究のページ

博士論文、修士論文のページ

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卒 業 設 計のページ

修 士・設 計のページ

中心市街地構想のページ :京都の中心市街地の将来像を構想しています。

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